D2C世界観の重要性と購入体験
なぜD2Cビジネスの配送戦略に世界観が重要なのか今日は考えます。
その前に、そもそもD2Cとは何か?すこし整理してみたいと思います。
以前は出発点がメーカーとして誕生したブランド/企業が多かったのに対し、D2Cブランドの場合デジタルネイティブであることが多く、販売方法も小売店への卸販売等に消極的、基本的には自社で直接販売をおこないます。
単に販売するだけでなく顧客との接点を重要視しておりコミュニケーションを自社で担います。また世界観を重視し単にモノを売るのではなく体験を提供します。顧客をお客様としてではなく、仲間や友達として位置づけコミュニケーションを行う、顧客と共にブランドを育て愉しみ発信していく。
世界観をもう少し掘り下げてみます。
世界観とはブランド/企業が世界をどう観ているか。その世界観に顧客が共感するかどうかがD2Cビジネスを展開する上で重要となります。
世界観をよりイメージしやすくするため、EVER LANEを紹介します。
【アパレル業界の闇】
アパレル業界はセールをしたとしても約半数の在庫が売れ残る/来期に持ち越したり、最終的には捨て値で古着市場に出回ったり、海外輸出されたりしている。それらが全て価格に反映されていたり、生産工場へのコストダウン圧力、従業員の待遇悪化につながる。
【EVERLANEのコンセプト】
「根本的に透明」私たちは、お客様が自分の服を作るのにどれくらいの費用がかかるかを知る権利があると信じています。材料から労働、輸送に至るまで、すべての製品の背後にある真のコストを明らかにし、従来の小売マークアップを差し引いたものを提供します。
Everlane | Modern Basics. Radical Transparency.
各生産工場にて適正賃金や適切な労働時間、労働環境などの評価といったコンプライアンスを重視し、生産工場の様子を多数サイトにアップしている。
このようにD2Cにおいて世界観があると顧客はそのブランドを好きになる、応援する等の判断がしやすくなります。
世界観を土台にして、プロモーション、プロダクトのこだわり、購入体験等を設計していきます。
このように購入、配送、開封、体験を世界観を土台にしつつ、その後SNSへの発信やコミュニケーションの仕掛けを展開することで影響の輪を広げていきます。
ここで重要なのは、その仕掛けがテクニカルになりすぎない事、根本は顧客との丁寧なコミュニケーションやオフラインでのやりとり、プロダクトの品質(デザイン)が重要で、そのバランス感覚が求められます。
これからD2Cのマーケットは競争がより激化していきますが、ブランドのポジション確立において、世界観と体験設計をしてトライ&エラーを繰り返すことの重要性がより高まっていくはずです。