現在、市場が急拡大をしているD2Cブランドビジネスですが、成功するブランド、失敗するブランドを目にしてきて、陥りやすい失敗例があります。今回は立上げ当初やこれからブランドを立ち上げる方に向け、POINTをお伝えしたいと思います。
もくじ
D2Cとは? (英: direct-to-consumer、DTC、D2C)
企業や個人が製品の企画・製造・販売を一貫して行うビジネスモデルのことです。
とくに、ECサイトを中心とした通信販売のビジネスで、自社で企画・製造した商品を自社のチャネルを通して消費者に直接販売するモデルを指しています。
D2Cの市場拡大の背景
消費者ニーズの変化
ECサイトにて数百、数千のレビューを読み、自分が納得いく商品を購入するようになってきており、ブランド がどんな信念で物を作っているのかを大事にする人も増えてきている。その副産物として、多少値段が高くても購入する人が増えてきている。機能的価値から情緒的価値(ユニークな体験、世界観)へ変化してきている事も重要なファクターの一つとも言えます。
SNSの普及
誰もが当たり前にSNSを使いこなし、情報収集をする時代になったことで、企業は消費者と簡単に繋がれるよう になっている、趣味や好きな事に関する情報収集やコミュニケーションにはInstagram、YOUTUBE、Twitter、TicTok等が多く使われている。特にInstagramについては、ファッション、コスメ、フードなど、楽しみや趣味を充実させる側面の強いブランドの多くが進出しているD2Cブランドが活用している。それは顧客との接点の構築、ブランディング、メッセージの発信、プロモーション、販売チャネル等のあらゆる面からメリットがあり、最初に取組むべき一般的ツールとなっている。
小売業界の縮小
小売業や卸売業の商業販売額は減少し、店舗閉鎖や業務縮小の傾向が出始めています。
今後も小売業界は縮小し、D2Cをはじめとする「新しい方法」を取り入れる企業が生き残ると考えられます。
D2Cブランドが陥りがちな5つの失敗例
右肩上がりで市場が成長しているD2Cブランド、次々と成功事例が耳に届く一方で、失敗事例も散見されるようになりました。どうしてD2Cブランドで失敗してしまうでしょうか?以下の5つの事例から考えてみましょう。
ビジョンや世界観が明確でない状態で、D2C市場に参入してしまう
D2Cビジネスが急成長を遂げているのは、質の高い商品や練り上げられてきた世界
観がユーザーの心に刺さったからです。なので、平凡な商品やありきたりな世界感では、失敗するのは当然と言えます。
ニーズとトレンドの変化に対応できない
上記で挙げたような質の高い商品やサービス、世界感だとしてもニーズやトレンドの変化に対応が出来ていない場合、結果的に独りよがりな商品になってしまい、ユーザーからは見向きもされないでしょう。
サイトへの集客ができない
SEO対策や、SNSやネット広告での宣伝が出来ておらず、サイトへの集客に失敗してしまう。これは人通りが少ない田舎の商店街に、お店を構えているようなものです。
在庫を大量に抱えている
需要を読み間違えたり、将来売れたときに備えて大量に在庫を仕入れたりしていると、売れ残った場合に赤字が出ます。まとめて仕入れた方が輸送費なども含め、短期的に見れば安く済むが、売れ残ってしまった時に、保管料などがかかってしまいます。そういったことから、最初から商品を多めに仕入れるのはおすすめできません。
お客様対応がしっかりと設計されていない
D2Cのネットショップでは、お客様対応がスムーズでないのは致命的と言えます。
受注確認メールから商品の発送までに数日掛かったり、問い合わせメールへの回答が遅かったりと、そもそもサービスの品質が高い日本では、ちょっとした遅れも低評価に繋がります。
D2Cは何を押さえるべきなのか?
創業者原体験
原体験があると良いのは、ストーリーが分かりやすいだけではありません。
個人的に強い思い入れがあるために、他の誰もが気付いていない問題点や、
課題の解決方法を持っているかもしれません。また似たような原体験を持つユーザーへの共鳴が起こるなど、単なる販売者と購入者の関係値を超えてブランド構成する支援者にもなってくれます。
産業構造の歪みを課題にする
上記に挙げた事にも関連する事でもありますが、フードロス・食品ロス問題や、
ファストファッションが招く環境問題等、現在世界の課題ともなっている事に関して、
積極的にコミットし、サービスや商品に還元していくことも重要になってきています。
OMO戦略
OMOとは、「Online Merges with Offline」の頭文字を取った言葉で、
これは、「オンラインとオフラインを融合する」という意味であり、
OMO戦略とは、顧客にオンラインやオフラインを意識させることなく、
より良い購買体験を提供するためのマーケティング戦略のことを意味します。
OMOの事例としてよく紹介されるものに、シェアリング自転車やタクシー配車、デリバリーフードビジネス、そして無人スーパーがあります。ここでは、既存のインターネットとリアルな店舗・サービスの役割の境目が変化し、より流動的になっています。
販売単価とコストバランス
日本のD2Cは、「値段は少し高いが、質の良いもの」が売れる傾向にあります。
日本には「安くて質も十分良いもの」が溢れています。コスパの良い商品、つまり実利的価値の高い商品はたくさんあります。「安くて質も十分良いもの」については、D2Cが参入する以前からあふれています。
そのため、市場に不足しがちな「値段は少し高いが、質の良いもの」「満足感を得られるもの」が、D2C市場では人気です。
【まとめ】
いくつかの視点からD2Cビジネスについて考察してきました。
D2Cビジネスは従来までのECビジネスとは違うアプローチや運営ノウハウが、必要となります。世界感を構築し商品と紐付け、ファンを増やす事が大事ですね。
今後D2C事業に参入のお考えのある方は、今回ご紹介した例を参考にして、準備を進めていきましょう。