D2Cというビジネスモデルは多くの企業で取り入れられており、成功したブランドも数多くあります。しかし、D2Cが具体的にどのようなものなのかわからない方も多いでしょう。
そこで今回は、D2Cの基本情報や取り入れるメリット・デメリットなどを解説します。D2Cに興味がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
もくじ
D2Cとは
D2Cとは、製造者が消費者に対してダイレクトに取引を行うビジネスモデルのことを指します。現在ではさまざまな業界で取り入れられていますが、ダイレクトマーケティングや直接販売とは異なるものです。
D2Cの歴史
D2Cは、1900年代後半のインターネット・バブルの時期に人気が出始めました。ただ、そのときは今の意味と異なっており、主にインターネットを仲介して消費者へ製品やサービスを販売するオンライン小売業者を指すための言葉として、用いられていました。
2000年代後半に入ると、アメリカを中心にスタートアップ企業のビジネスモデルとしてD2Cが取り入れられるようになりました。この背景は複数あり、以下のようなことが挙げられます。
- ソーシャルメディアの普及による顧客獲得の効率化
- 3Dプリンタのような製造関係のツールの進化
- 海外製造業者を用いたサプライチェーンの進化
- ミレニアル世代の嗜好の顕著化
D2CとBtoB・BtoCの違い
D2Cに似ている言葉として、BtoBとBtoCがあります。どちらもビジネスにおいて有名な言葉であるため、聞いたことがある方も多いでしょう。ただ、どちらもD2Cとは違う言葉であるため、注意が必要です。
まずBtoBとBtoCがD2Cと同じビジネスモデルであることに変わりはありません。しかし、具体的な内容が異なります。BtoBは企業間取引のことです。BtoCは企業と消費者の取引ですが、D2Cとは違って仲介業者が入る場合があります。
また、他の2つのように取引を行う対象者を指すのではなく、D2Cは「どのように消費者へ商品やサービスを届けるのか?」ということを指す言葉として用いられています。
D2Cが向いている事業
D2Cは幅広い業界で取り入れられていますが、読者の中にはネットショップ=D2Cと考えている方がいるかもしれません。確かにD2Cとインターネットの相性は非常に良いですが、前提としてネットショップが必要という条件はないのです。
その上でD2Cが向いている事業としては、商品の詳細を伝えることで他社との差別化が図れる化粧品業界や、世界観やブランドのイメージが重要視されるアパレル業界などが挙げられます。また、デリケートゾーン関連の商品やサービスといった、店頭では言いにくいような商品やサービスを販売している事業もD2Cに向いています。
D2Cが注目されている背景
D2Cが注目されている背景は複数あり、簡単に挙げると以下の通りです。
- 多くの消費者がデジタルの世界に慣れた
- 消費行動が以前と比べて変化した
- 購入による経験や価値が重視されるようになった
それぞれどのようなものなのか、1つずつ見ていきましょう。
多くの消費者がデジタルの世界に慣れた
過去はテレビや新聞が主流でしたが、今は異なります。スマホの普及によって多くの人が気軽にインターネットを利用できるようになり、SNSといった新たなサービスも利用されています。
結果として多くの消費者がデジタルの世界になれ、人々へのアプローチもデジタルを利用したものとなりました。例としてECサイトでの販売やデジタル広告での宣伝などが挙げられます。
デジタル広告には、これまでのマス広告とは違って費用対効果を見ながら予算のコントロールができ、効率的に広告を配信できるようになりました。そのおかげでD2Cのような消費者とダイレクトに取引するビジネスモデルも取り入れやすくなったのです。
消費行動が以前と比べて変化した
これまでは機能的価値を持つ商品やサービスが売れていましたが、今は情緒的価値のあるものが売れています。その理由はすでに日本が豊かになっているためであり、ものも溢れている社会だからこそ、機能的価値とは別に情緒的価値のあるものへお金を出すようになりました。
例として電子レンジが挙げられます。電子レンジの機能的価値はものを温めることですが、電子レンジは現代においてすぐにでも購入できるものです。
その中でBALMUDAは、電子レンジのデザインをインテリアのようなものにしたり、音楽が流れるようなものにしたりしました。結果としてBALMUDAの電子レンジには情緒的価値が生まれ、多くの顧客に選ばれるようになりました。
ここで注意しておきたいのが、情緒的価値だけをメインに考えれば良いというわけではないということです。機能的価値も含めた上で、情緒的価値もある商品やサービスを作ることで、スタートアップ企業と出会ってもD2Cを活用することで、大きな人気となるチャンスをつかみやすくなります。
購入による経験や価値が重視されるようになった
これまでは商品を購入して所有することを重視していましたが、ものが溢れかえる現代では所有することよりも利用することを重視するようになりました。その結果生まれたのがサブスクリプションサービスであり、自分のものにはできないものの、サービス利用中は常に好きなタイミングで利用できるようになっています。
このことはD2Cが注目される背景にもつながることです。D2Cブランドは商品を購入して終わりというわけではなく、購入も含めた経験や価値を感じて欲しいということを目指しています。
D2Cのメリット
D2Cには、主に5つのメリットがあります。
- 収益性が高い
- 自由な売り方がしやすい
- 顧客のデータを収集・蓄積できる
- ブランドのコンセプトが伝えやすい
- 顧客と協力して製品・サービスを改良していける
D2Cの良さを理解するためにも、それぞれ1つずつ見ていきましょう。
メリット1.収益性が高い
1つ目のメリットは、収益性が高いことです。D2Cでは、製造者が商品の開発から製造、販売に至るまで一貫して自社で管理。仲介業者を含めないからこそ、収益性が高くなります。
仲介業者の中には、楽天市場やAmazonなども含まれており、それらを利用するとどうしても手数料がかかってしまいます。しかし、現在ではECサイトを持ちやすくなっていることもあり、それらに頼らないビジネスも可能です。
メリット2.自由な売り方がしやすい
D2Cは最初から最後まで自社で管理できるからこそ、自由な売り方やマーケティングがしやすいというメリットがあります。具体的には売り出したり商品ならではのマーケティングを展開したり、期間限定のキャンペーンを開催したりなどです。
もし通販プラットフォームを利用する形での販売ならば、D2Cと比べて自由度が下がります。通販プラットフォームのルールに従わなければいけないため、独自のマーケティングキャンペーンなどが展開できないかもしれません。
メリット3.顧客のデータを収集・蓄積できる
D2Cは、上記で挙げたような通販プラットフォームを利用したり販売業者を介したりする場合と比べ、顧客のデータを収集および蓄積しやすいというメリットもあります。データが多いほど顧客のことを考えた改善ができ、さらに顧客から愛されるものとなるでしょう。
例えば顧客が自社のECサイトに滞在する時間が短い場合、オウンドメディアのように商品関連の記事を複数用意することで、顧客が記事を読んで滞在時間が長くなる可能性があります。その上、記事はSEO施策としても用いたり、さらに商品について理解してもらえたりなどのメリットも享受できます。
メリット4.ブランドのコンセプトが伝えやすい
商品やサービスを販売する上でブランドのコンセプトは重要なポイントですが、それらを伝える際にもD2Cが役立ちます。例として自然に優しいことをコンセプトとした商品を販売したい場合、そのコンセプトとは関係のない無機質な売り方をすれば、思うようにコンセプトが伝わらないでしょう。
しかし、D2Cの場合は販売も自社で管理できるため、コンセプトを伝えられるような売り方で商品を販売できます。上記のようなケースならば、ECサイトのデザインを自然が感じられるようなものにするといったことが挙げられます。
メリット5.顧客と協力して製品・サービスを改良していける
D2Cは一方的に消費者へ販売するのではなく、消費者からの声も汲み取ることも含まれています。そのことから、D2Cは顧客と協力して製品やサービスを改良していくことができ、消費者のことを第一に考えた商売ができます。
例を挙げるならば、消費者からの問い合わせに対して真摯に対応したり、SNSで消費者からの声を拾ったりなどです。例として民泊サービスの「Airbnb」では、Twitterで関連ツイートを見つけると、すぐにサポートに関するリプライを送っています。
D2Cのデメリット
D2Cには収益性が高かったり、顧客のデータを集められたりなどのメリットがある一方、以下のようなデメリットもあります。
- 製品・サービスの魅力によって左右される
- 即効性がない
- 集客のための費用とノウハウが求められる
- ECサイトの構築といったリソースが必要
- 具体的なブランディングが求められる
こちらもメリットと同じく、1つずつ見ていきましょう。
デメリット1.商品・サービスの魅力によって左右される
D2Cを始める上で特に重要なことが、顧客を呼び寄せる商品やサービスです。それらがなければ、顧客が集まらず、思うような効果が得られません。D2Cを始めようと思っても、商品・サービスの魅力によって収益性や注目度合いが左右されてしまうのです。
このことから、D2Cは商品力が問われるビジネスモデルと呼ばれることもあります。それほど重要なものであるため、D2Cを始めるのであれば商品やサービスに対してしっかりとこだわりましょう。
デメリット2.即効性がない
D2Cは始めればすぐに効果が得られるものではありません。どうしても時間がかかるため、即効性を求めている方には不向きです。しかし、それでもコツコツ取り組むことにより、自社の一大ブランドになる可能性もあります。
デメリット3.集客のための費用とノウハウが求められる
D2Cを成功させるためには集客が大切ですが、そのための費用とノウハウが求められます。これはD2Cならではの問題ではなく、どのような商売であっても必要になることです。
D2Cに関することであれば、効果が出る広告を作るためにPDCAを回しながら改善したり、SNSでコツコツ情報を発信してフォロワーを増やしたりなどが挙げられます。こちらも時間がかかるため、諦めずに作業していきましょう。
デメリット4.ECサイトの構築といったリソースが必要
D2Cは誰でもすぐにできるものではなく、準備が必要です。そのことから、準備や運営するためのリソースがなければ、D2Cの運用も難しくなります。もしD2Cを始めるのであれば、リソースのことも考えておきましょう。
例としてECサイトを構築する場合、サイトのデザインや販売の流れなどを作っていく上での工数がいくつもあります。本格的なものほど工数が増えるため、その分の金銭的および人材的リソースが求められます。近年では手軽にECサイトを作れるサービスもありますが、継続的に管理しなければならず、どちらにせよリソースが求められることに変わりはありません。
デメリット5.具体的なブランディングが求められる
自分たちでECサイトを作る場合には、自社の商品の認知度を高めて購入者を増やすためのブランディングが必要になります。ブランディングとはブランドに対する共感や信頼などを通じて、顧客にとってのブランドの価値を高めることを指します。
具体的なブランディングほど失敗も防ぎやすくなりますが、上記で述べたように即効性はほとんどありません。すぐに効果が出ないケースがほとんどであるため、運用が安定するまでのコストも含めて取り組むようにしましょう。
D2Cブランドの事例
D2Cブランドはさまざま業界が取り組んでいるといえ、具体的にはどのような取り組みなのか知りたい方も多いでしょう。そこで、この項目では主な事例を7つ紹介します。これから取り組もうと思っているのであれば、ぜひ参考にしてみてください。
事例1.AWAY
「AWAY」はアメリカのスーツケースブランドであり、世界中のユーザーから注目されました。「AWAY」のスーツケースは機能性にとことんこだわったデザインであり、スマホを充電できたり、洗濯物専用の収納袋があったりといった魅力が詰まっています。
その上で「AWAY」は、顧客のことを考えて、生涯保障サービスや購入してから100日以内の返品サービスなども用意。また、中品質・中価格帯というスーツケースブランドでは競合がいないポジションで展開したところも、「AWAY」が人気となった背景です。
事例2.Allbirds
スニーカーの販売がメインの「Allbirds」は、自社のECサイトでブランドのストーリーを重視して伝えてきました。また、InstagramやFacebookで消費者と直接コミュニケーションを取り、消費者からの意見のもとで商品の改良を繰り返してきました。
結果として創業して2年で100万足を売り上げ、企業価値が14億ドル以上になるほどの会社となりました。「Allbirds」は海外にも展開していますが、ECサイトを中国以外で「Shopify」を利用することで、スムーズな展開を実現できたとされています。
事例3.Casper
マットレスブランドの「Casper」は、ミレニアル世代をターゲットに展開しました。具体的には「ミレニアル世代は引っ越しが多い」という背景から、折りたたんで梱包できるマットレスを販売。引っ越しにも便利であることをアピールし、ミレニアル世代から注目を集めました。
また、「Casper」はこれまでのマットレスにおける問題を解消したブランドとしても注目されています。引っ越し時の苦労はもちろんのこと、オンラインで購入できるため、店員からの圧力を感じてマットレスを購入するという問題も解消されました。
事例4.frankbody
オーストラリアのコスメブランドである「frankbody」では、まず皮膚トラブルを抱えている人をターゲットにInstagramで製品を販売しました。その結果、多くのユーザーからハッシュタグを介して反応してもらえるようになりました。
この経験は現在でも生かされており、Instagramではコメント専用のアカウントを用意して、多くのユーザーとコミュニケーションをとっています。また、口コミにも力を入れており、創業者自らが自分の肌を使った写真や動画も投稿しています。
事例5.Dollar Shave Club
カミソリのブランドである「Dollar Shave Club」では、ユニークな動画を投稿して商品への注目を集めました。その前には影響力のあるブロガーやメディアに対して声をかけており、偶然注目されたのではなく、計画的に注目されるように動いていたことがわかります。
それとは別に、Webサイトも魅力的です。「Dollar Shave Club」は問題の想起→解決のフレーズ→商品購入への誘導という流れで構成されており、シンプルながらも顧客が購入しやすいような動線を設けています。
事例6.SAKE100
日本企業の事例として、「SAKE100」が挙げられます。「SAKE100」は日本酒のブランドで、各地の酒造と共同開発した日本酒を販売しています。
「SAKE100」で注目したいのはメディア事業です。日本酒専門のWebメディアを持っており、2020年5月には月間100万PVを達成。デジタルマーケティングをうまく駆使したケースであり、高価格帯の日本酒をメインに扱っていながらも多くの顧客を抱えています。
事例7.PHOEBE BEAUTY UP
最後に紹介する「PHOEBE BEAUTY UP」も日本生まれのD2Cブランドです。最初は、2か月に1回のペースでまつ毛美容液が手元に届くというサブスクからスタートしました。
その後、「PHOEBE BEAUTY UP」は積極的にインフルエンサーを活用。消費者がSNSに投稿したり共有したりしたくなるようなキュートなパッケージによって、独自の世界観をアピールしています。
D2Cブランドを始める主な流れ
ここまで読んだ方の中には、すぐにでもD2Cブランドを始めたいと思うかもしれません。D2Cブランドには複数の手順があるため、始めてみたい方は以下の流れを参考にしながら計画してみましょう。
顧客のニーズを調査する
まずは顧客のニーズを調べることから始めます。闇雲にブランドを設けても、それが顧客のニーズを汲み取っていなければ、商品がなかなか売れない結果となってしまいます。
そのようなことを防ぐためにも、顧客のニーズを調べることは非常に大切です。具体的な調査方法としては、アンケートやインタビューなどが挙げられます。調査方法を組み合わせて調べることもできるため、商品開発に活かしやすい方法でニーズを調べましょう。
ビジョンやブランドコンセプトを設定する
D2Cブランドを始めるためには、そのブランドのコンセプトやビジョンが大切です。設定する際は調べた顧客のニーズを参考に考えてみましょう。特にミレニアル世代をターゲットにしているのであれば、ブランドへの共感が重要になります。
別の項目で説明したように、現代ではものを所有することを重視していません。それよりもブランドのビジョンやコンセプトを重要視する傾向があるため、どのようなものならば共感してもらえるか考えながら設定することが大切です。
商品を企画する
商品を企画する際には、上記で設定したブランドのビジョンやコンセプトからズレないようにしましょう。ズレてしまうと、顧客は商品に対して魅力を感じなくなってしまいます。そのため、企画中はビジョンやコンセプトからズレていないかこまめに確認しましょう。
工場を探す
商品を製造するためには工場が必要です。工場によって特徴が異なるため、自社の要望に応えてくれる商品を開発してくれるかどうかチェックしましょう。
その他、品質の良さやコスト、商品の仕上がりの丁寧さも重要なポイントです。商品の質によって顧客の満足度も変わるため、慎重に判断するようにしましょう。安易に選ぶと、顧客が求めていることに応えられない製品を販売することになります。
ビジネスモデルを考える
工場を見つけたら、お金を儲けるための仕組みを考えましょう。簡単に表現するとビジネスモデルの策定であり、使う販売チャネルやコスト構造などを考えます。また、資金のことも重要なポイントであり、今後のことも踏まえて無理のない計画を立てておきましょう。
販売チャネルを決める
販売チャネルとは、商品やサービスを流通させるための経路のことを指します。別の項目で述べたようにD2C=ECサイトではないため、自社にあった販売チャネルを決めましょう。
ただ、D2Cであることから楽天市場やAmazonのようなECモールは利用しません。基本的にはECサイトか実店舗での販売が基本的なものとなるでしょう。
集客方法や物流方法を決める
集客方法はさまざまあり、SNSを使った方法やオウンドメディアを使った方法などが挙げられます。併用することも可能ですが、その分の費用や人材的リソースのことも考えて判断しましょう。そうすることで、失敗する可能性も減らせます。
物流に関しては、最低限の知識がないと失敗する恐れがあります。時間も取られる分野であるため、外部のサービスを利用することも検討しましょう。例えば「クラチョク」というサービスの場合、商品の入庫確認報告や在庫管理、海外配送などD2Cの物流に関するサポートをしてくれます。詳しくはは、一度問い合わせてみてください。
顧客とつながるための仕組みを構築する
D2Cブランドにおいて、顧客とのつながりは必要不可欠です。そのため、顧客とつながるための仕組みを構築しましょう。主なものとして、SNSやECサイトの運用などが挙げられます。
SNSを利用する際は、商品のことも考えて展開する場所を考えましょう。例えば女性向けのブランドの場合、若い女性に人気のあるInstagramで商品をアピールするのがおすすめです。10代向けの商品をアピールしたい場合には、多くの若者が利用しているTikTokを活用すると良いでしょう。
販売する
ここまでの準備を終えたら、ようやく販売です。販売する際は、その後のアフターフォローやサポートなどの対応も重要になります。事実、D2Cブランドでは返品保証や修理保証といった制度を設けている場合が多いです。
D2C事業を始める上でのポイント
D2C事業は誰でも成功できるものではありません。失敗する可能性もあります。そこで最後の項目ではD2C事業を始める上でのポイントを解説します。簡単にまとめると以下の通りです。
- 具体的にKPIを設定する
- マーケティングの基礎を把握しておく
- 計画通りに進んでいるか定期的に確認する
- SNSやクラウドファンディングを活用する
- 消費者の声を取り入れる
- ライフタイムバリューに注目する
具体的にKPIを設定する
KPAは目標を達成するためのプロセスが適切に行われているか評価するものであり、KPIを数値で設定することにより、目標にどのくらい近づいているのか把握しやすくなります。ここでの目標はさまざまありますが、平均注文数や売上高などが挙げられます。
KPIを設定することにより、目標への近づき度合いに応じた対応が可能です。例えば思うように目標へ近づいていなければ、今の施策ではそこまで効果が得られないということになり、早急な改善が求められます。
マーケティングの基礎を把握しておく
D2Cとマーケティングは密接な関係であるため、この機会にマーケティングの基礎を勉強してみましょう。具体的には、フレームワークを用いた分析やブランドのミッションの伝え方などがD2C事業において役立ちます。
計画通りに進んでいるか定期的に確認する
もしある程度D2C事業の売り上げが立ってきたのであれば、ビジネスモデルを策定した際に決めた収支計画通りか確認しましょう。細かくチェックすることで、改善すべき部分がないか調べられます。このことは定期的に行うのがおすすめで、後々で大きなトラブルに発展しそうな問題を未然に防げるようになります。
クラウドファンディングを活用する
D2C事業の資金が厳しい場合には、クラウドファンディングを活用しましょう。クラウドファンディングを活用することで、商品やサービスを提供する前に資金準備が可能になります。
また、クラウドファンディングで資金を集める際には、商品やサービスのコンセプトやストーリーが重要になります。本当に設定したコンセプトやストーリーがターゲットに刺さっているかどうかの検証としても活用でき、そのような意味でもD2Cとクラウドファンディングは相性が良い存在です。
消費者の声を取り入れる
D2Cは消費者や顧客とのコミュニケーションが重要です。継続的に商品やサービスを利用してもらうためにも、消費者の声を商品やサービスの改善に取り入れましょう。
消費者とのコミュニケーションが活発になれば、企業やブランドと消費者のつながりも強くなります。そうなれば、消費者を巻き込んだイベントを開催できるようになるといった、新しい施策を講じやすくなります。
ライフタイムバリューに注目する
ライフタイムバリューとは顧客1人あたりの生涯購入額であり、長く顧客と付き合って生涯購入額を高めるかどうか考えてみましょう。基本的にD2C事業は少数でもコアなファンがおり、それが少しずつ積み重なって成長していくのが、よくあるシナリオです。
そのことから、目の前の売り上げではなく、顧客一人ひとりのライフタイムバリューに注目して事業を展開していきましょう。例えば、継続的な利用に対する特典を用意するといったことが挙げられます。
D2C事業で新しいビジネスを
今回は、D2Cの基本情報や取り入れるメリット・デメリットなどを解説しました。D2Cは2000年代後半のスタートアップ企業で取り入れられ始めたビジネスモデルであり、現在では幅広い業界で行われています。成功するためのポイントもあるため、気になる方はD2C事業の準備を進めてみてはいかがでしょうか。